若狭警察署の一室

白石刑事「美浜海岸で発見されたものです」

泉子「この靴、邦夫さんのじゃないわ」

みどり「そうよ、お父さんこんな靴履かないわ、やっぱり人違いよ」

千代「邦夫が自殺なんで、あの子は そんなことする子じゃないわ」泉子「(白石に)失礼ですが、これは夫の靴ではありません。やはり何かのお間違えでは・・」

 

ホテル月下(1)
目の前には救急病院があり、近くに市電が通っている。

しかも、山崎の宿泊した、301号室の真下に踏切があるホテル。

邦夫「さ、どうぞ」

室田「じゃ。うーん、うまい、流石まぼろしの酒です・・・あ、すんませんな」

ホテル月下(2)

室田周平と、山崎邦夫

室田「・・もしもし、弥生ちゃん。わしや!室田や・・色白の肌に看護婦姿もよく似合うけど・・そのピンクのワンピースも ええな・・・ここや ここや、もうちょい窓に寄って、ホテル月下の三階の角の部屋見てみ・・(手をふり)わしやわしや・・どや、もう勤務あけて、帰るところやろ・・入院してた時のお礼に寿司でもご馳走させてもらうわ・・・そうか。ほな・・ここで待っとるわ。じゃ」

京都撮影所、スタジオ内現場(1)

田島監督「君ッ、何が結構だッ、私の集中力を削ぐようなことはやめたまえッ」

国田「でも」

田島監督「でも?!」

国田「だって」

田島監督「だって?!」

国田「フォーカス合ってなくていいんですか!」

京都撮影所、スタジオ内現場(2)

鍋木(助監督)「はぁ、リーストラバーグのリラクゼーションらしいんです」

田島監督「なんだこいつアメリカ帰りか?」

鍋木「通信教育だそうです」

田島監督「リラックスしすぎじゃないか?!」

 

別スタジオで。 豊村健一と、山崎邦夫

豊村「・・山崎さん、私に声を掛けて下さって、カツ丼をご馳走してくれました」

「・・その夜、私をカラオケに・・お忘れですか?山崎さんトイレで泣いていました・・『どうしたんですか』とお聞きしたら『今日、親父が死んだよ』って」

邦夫「・・ああ、あの時の・・思い出しました・・そうですか・・撮影中にお腹を鳴らしていましたね。しかし、あの時のあなたが豊村健一さん?・・偉くなられて」

津軽三味線

口上(杉山明子)と、殺陣(原田甲斐、伊達安芸、柴田外記、家臣達)

杉山「おのれ伊達安芸、不埒者、成敗!と刀を抜くや伊達安芸の胸元に斬りつける。のけぞる伊達安芸・・・・。

刹那、家臣達の槍が甲斐の胸、腹、首へと突き立てる。

甲斐 血を吐ドゥーーと 倒れ込む」

カーテンコール